警察からの電話
夜に娘が帰ってこないことに、慣れ始めてしまった。
毎日心配して、連絡して返事を待って。
眠れない日々に疲れて、少し考えないようにしないと自分を保つことができなくなった。
そんな時、寝ていると夜中に警察からの電話。
娘を病院に搬送するということだった。
動悸が止まらなかった。手が震えた。
すぐに病院へ向かったが、行く途中も良からぬことばかり考えてしまう。
ちょうど歌舞伎町では、ビルからの飛び降りが続いていたからだった。
病院に到着し、名前を告げるとベッドまで案内してくれた。
娘はスヤスヤ眠っていた。
眠っている姿は、赤ちゃんの頃の無垢な顔のまま。
もう、一人で悩んでいては大変なことになると思い始めた。